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第2部 ICTが拓く未来社会
第1節 ICT端末の新形態

第1節 ICT端末の新形態

利用者サイドから見た場合、ICTの進化はICT端末の変化に最も象徴的に表れる。第1章でみたように、1985年の通信自由化当時、家庭で通信回線につながる端末は固定電話に限られていた。その後パソコンが回線につながり、データ通信やインターネットが利用できるようになった。携帯電話の普及でモバイル無線通信が一般化し、スマートフォンの普及でインターネットのモバイル化が完成した。タブレット端末の普及はネットでの動画視聴や電子書籍の利用を身近なものにした。このように、利用者の視点で振り返った場合のICTの歴史は、ICT端末の歴史であると言ってもよいかもしれない。

近年のICT分野の進化を牽引しているICT端末がスマートフォンであることは、恐らく異論のないところだろう。第2章でみたように、コンパクトでありながらパソコンに匹敵する高度な機能を備えたスマートフォンの普及は、私たちの情報収集やコミュニケーション、移動や購買行動など生活の様々な場面に影響を与えている。

それでは、スマートフォンの次にはどのようなICT端末が普及するのだろうか。本節では、今後の普及が特に有望視されている3種類のICT端末(ウェアラブルデバイス、コネクテッドカー・オートノマスカー、パートナーロボット)を取り上げ、その技術的背景や市場動向、注目すべき事例を解説するとともに、利用者の認知度や利用意向を分析し、これらのICT端末の普及が未来の暮らしに与える影響を展望することとしたい。

なお、こうした新たなICT端末の登場は、パソコンやスマートフォン、タブレットといった従来型のICT端末だけでなく、様々な「モノ」がセンサーと無線通信を介してインターネットの一部を構成していくという意味での「モノのインターネット」(IoT:Internet of Things)化の一環として理解することができる。IoTの全体像や産業面でのインパクトについては、第5章で扱うこととし、ここでは利用者の目線でみた場合に注目度の高い上述の3種類の端末に絞って検討を進めたい。

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