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第2部 ICT が拓く未来社会
第3節 地域の課題とICT

(1)分野別のICT利活用状況

アンケートではまず、医療・介護、福祉、教育等の行政分野ごとに、2014年度にICTシステムを利活用した具体的な事業を自治体又はその関連団体が運営しているか、あるいは何らかの形で運営に参加・協力17しているかを尋ねた。その際、「電子カルテ連携」「電子母子手帳」「電子黒板・デジタル教科書」等の具体的なICTシステムを提示し、それぞれについて実施状況を尋ねた。

ア 医療・介護分野

医療・介護分野では、「電子カルテ連携」、「放射線画像診断・遠隔診断」で1割を超える実施率となった(図表3-3-3-1)。経年でみると、昨年度調査で最も多くの自治体が「今後実施する予定、または検討している」と回答した「電子カルテ連携」が最も大きく増加した。また、今後の実施予定では「コメディカル地域情報連携」が最も多くなり、ICTを活用することによって情報連携が行われ、医療・介護の質の向上や効率化が期待される。

図表3-3-3-1 医療・介護分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても8割強が一定の成果を得ていると回答している。

イ 福祉分野

福祉分野では、「子育て支援情報提供」が25%を超える実施率となり、「要支援者情報共有」、「見守り・安否確認」も15%を超えた(図表3-3-3-2)。今後の実施予定についてもこれら3事業が多くなった。経年でみると、実施率は低いものの「電子母子手帳」を「今後実施する予定、または検討している」という自治体がほぼ倍増している。

図表3-3-3-2 福祉分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。多くの事業で9割強が成果を得られているが、「電子母子手帳」ではやや低い割合となった。

ウ 教育分野

教育分野では、「電子黒板・デジタル教科書」が7割近い実施率となり、「デジタルアーカイブ・デジタルミュージアム等による地域文化振興」も2割を超えた(図表3-3-3-3)。経年でみると、実施率に大きな変化はない。

図表3-3-3-3 教育分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても8割強が一定の成果を得られていると回答している。

エ 防災分野

防災分野では、「防災メール」が7割を超える実施率となり、「カメラ・センサー等による防災情報収集」、「IP告知端末・地デジ端末等の多メディアへの緊急共通情報配信」も4割を超えた(図表3-3-3-4)。経年でみると、多くの事業で実施率が増加しており、活用が進んでいる。

図表3-3-3-4 防災分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についてもほぼすべての自治体が一定の成果を得られていると回答している。

オ 防犯分野

防犯分野では、「防犯メール」が6割を超える実施率となり、「防犯マップ共有」は実施予定を合わせると2割を超えた(図表3-3-3-5)。経年でみると、「防犯メール」の実施率が微増している。

図表3-3-3-5 防犯分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についてもほぼすべての自治体が一定の成果を得られていると回答している。

カ 観光分野

観光分野では、「有力サイト等を活用した他地域等での観光情報提供」が4割を超える実施率となった(図表3-3-3-6)。実施予定では「多機能端末等を用いた観光情報生成・提供」が2割を超えて最も多くなった。経年でみると、「有力サイト等を活用した他地域等での観光情報提供」の実施率が大きく増加しており、インターネットを活用して観光客を呼び込む取組を行う自治体が増えてきている。

図表3-3-3-6 観光分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても8割強が一定の成果を得られていると回答している。

キ 交通分野

交通分野では、「オンデマンド交通」が実施中、実施予定ともに最も多くなった(図表3-3-3-7)。経年でみると、「オンデマンド交通」の実施率が増加しており、要求に応じた運行サービスが広がりつつある。

図表3-3-3-7 交通分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても9割強が一定の成果を得られていると回答している。

ク 産業振興分野

産業振興分野では、「インターネット直販」、「電子調達システム」の実施率が高く、実施予定についてもこれら2事業が多かった(図表3-3-3-8)。それ以外の事業については5%未満の実施率となった。

図表3-3-3-8 産業振興分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。多くの事業で8割強が成果を得られていると回答しているが、「地域共同システム」ではやや低い割合となった。

ケ 農林水産産業振興分野

農林水産産業振興分野では、産業振興と同じく「インターネット直販」が最も高い実施率となったが、「POSデータ配信」、「トレーサビリティ」についても15%を超えた(図表3-3-3-9)。経年でみると、昨年度調査で最も多くの自治体が「今後実施する予定、または検討している」と回答した「鳥獣被害対策」が最も大きく増加した。また、今回の調査でも実施予定では「鳥獣被害対策」が最も多くなり、今後、活用地域が広がっていくことが期待される。

図表3-3-3-9 農林水産産業振興分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても9割強が一定の成果を得られていると回答している。

コ 雇用分野

雇用分野では、「就労・人材獲得支援」がおよそ15%と最も高い実施率となり、実施予定でも最も多くなった(図表3-3-3-10)。「地域SOHO型在宅勤務・テレワーク」、「ICTによる障がい者雇用促進事業」は共に実施率が2%未満となった。

図表3-3-3-10 雇用分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても8割強が一定の成果を得られていると回答している。

サ 地域コミュニティ分野

地域コミュニティ分野では、「地域でのSNS、BBS等の活用」が3割近い実施率となり最も高く、「地域人材・施設情報検索サービス」は2割近く、「個別相談サービス」も1割を超える実施率となった(図表3-3-3-11)。

図表3-3-3-11 地域コミュニティ分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても9割強が一定の成果を得られていると回答している。

シ 環境・エネルギー分野

環境・エネルギー分野では、「環境・エネルギー管理システム(HEMS、BEMS、FEMS、CEMS等)」が1割近い実施率で最も高く、実施予定でも最も多くなった(図表3-3-3-12)。次いで多いのは「再生可能エネルギー制御システム」となった。いずれの事業も実施率がまだそれほど高くないものの「今後実施する予定、または検討している」という自治体が比較的多く、今後利活用が進むことが期待される。

図表3-3-3-12 環境・エネルギー分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。多くの事業で8割強が成果を得られていると回答しているが、「変動料金・ポイントシステム」ではやや低い割合となった。

ス インフラ分野

インフラ分野では、「カメラ・センサー等によるインフラの損傷・劣化の把握」が最も高い実施率となった(図表3-3-3-13)。今後の実施予定では「モバイル・ソーシャルメディアの活用」、「インフラの損傷・劣化把握のための有人巡視点検の支援」が多くなり、今後は把握だけではなく、インフラ点検の効率化にも活用されることが期待される。

図表3-3-3-13 インフラ分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成27年)
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次に、これらの事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対して、当初想定していた成果の有無について尋ねた。いずれの事業についても9割近い自治体が一定の成果を得られていると回答している。



17 各種の補助・助成、共催・提携・後援、各種便宜供与、企画・助言、仲介・調整・広報等の支援・協力など

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