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第2部 ICTが拓く未来社会
第1節 我が国経済の将来課題とICT

2 経済成長におけるICT の役割

(1)汎用技術(GPT)としてのICT

持続的な経済成長の主要な原動力が、組織や制度の改革を含む広い意味での「技術進歩」であることは、経済学のコンセンサスとなっている。しかし、歴史を振り返った場合、全ての技術進歩が等しく重要な役割を果たしてきた訳ではない。第1次産業革命(18世紀後半〜19世紀中期)における蒸気機関、第2次産業革命(19世紀後半〜20世紀初頭)における内燃機関と電力のように、社会全体に広く適用可能な基幹的な技術革新がまず存在し、それが様々な分野での応用的な技術進歩を次々と引き起こすことで、持続的な経済全体の成長が実現してきた。このような、様々な用途に応用し得る基幹的な技術のことは汎用技術(GPT:General Purpose Technology)と呼ばれるが、ICTが蒸気機関や内燃機関、電力等に続く現代の汎用技術であるとの見解は、今日では広く支持されている(図表5-1-2-1)。

図表5-1-2-1 汎用技術(General Purpose Technology)の一覧6
(出典)総務省「グローバルICT産業の構造変化及び将来展望等に関する調査研究」(平成27年)

前項で見たように、少子高齢化と人口減少が進む中で中長期的な経済成長を達成するためには、供給面での対策と、需要面での対策を併せて進めることが必要であるが、汎用技術であるICTは、その両面において中心的な役割を果たすと考えられる。



6 R.G.Lipseyら著 “Economic Transformations : General Purpose Technologies and Long Term Economic Growth” (Oxford University Press, 2005)では、応用の多様性や波及効果等の視点から24の汎用技術を掲げ、その性質に応じて「プロダクト」「プロセス」「組織」の3つに分類している。

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