総務省トップ > 政策 > 白書 > 27年版 > 中長期的な経済成長に向けた方向性
第2部 ICTが拓く未来社会
第1節 我が国経済の将来課題とICT

(3)中長期的な経済成長に向けた方向性

少子高齢化や人口減少が進む中で中長期的な経済成長を実現していくためには2、供給面の対策と需要面の対策を車の両輪として進めていく必要がある3。まず供給面では、労働投入の減少を見据え、企業の生産性向上を図ることが何より重要である4。加えて、女性や高齢者の就業促進による労働参加率の拡大や、教育・人材育成の充実による労働の質向上も求められる。また需要面では、企業の積極的なグローバル展開を通じて拡大する海外需要の取り込みを図るとともに、新たな商品やサービスの創造(プロダクト・イノベーション)を通じて持続的な需要創出を図ることが重要である5図表5-1-1-2)。

図表5-1-1-2 人口減少社会での持続的成長の実現


2 この点、マクロでの経済成長が実現できなくても、国民一人当たりのGDPが減少しなければ問題ないとの立場もあり得る。しかし、マクロでのマイナス成長は、規模の経済や集積の経済を失わせ、一人当たりGDPの低下に繋がり得る。また、高齢化に伴い社会保障に必要な費用の更なる増大が見込まれる中、マクロでの経済成長が実現できなければ、財政・社会保障制度の持続可能性に問題が生じる。

3 同時に、総合的な少子化対策を通じて出生率の向上を図ることも重要である。

4 この点、対日直接投資の拡大は、資本投入の確保に繋がるとともに、海外の優れた技術・ノウハウの吸収を通じて国内企業の生産性向上にも資すると考えられる。

5 中長期的な経済成長のためのプロダクト・イノベーションの重要性については、吉川洋・安藤浩一・宮川修子(2013)「プロダクト・イノベーションと経済成長 PartV:TFPの向上を伴わないイノベーションの検証」RIETI Discussion Paper Series 13-J-033 <http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/13050020.html別ウィンドウで開きます>等を参照。

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