総務省トップ > 政策 > 白書 > 27年版 > ウェアラブルデバイスの製品例
第2部 ICTが拓く未来社会
第1節 ICT端末の新形態

(3)ウェアラブルデバイスの製品例

近年、先進国を中心にスマートフォン市場が一定の普及期を迎えつつあることを背景に、スマートフォンの次の端末市場を模索するApple、Google等のグローバルICT企業がウェアラブルデバイスへの取り組みを強化している。それとともに、PCメーカー、携帯電話メーカー、スポーツ用品メーカー、ベンチャー企業など、様々な企業がウェアラブルデバイス市場への参入を進めている。

ア Apple「Apple Watch」

Apple WatchはAppleが開発した腕時計型のウェアラブルデバイスである(図表4-1-1-4)。素材や製法にこだわった高級志向モデルから普及モデルまでが展開されており、2015年4月24日に日本を含む9か国で発売が開始された。

図表4-1-1-4 Apple Watchのラインナップ
(出典)Apple社ホームページ

Apple Watchには、独自OS「Watch OS」が採用されており、時間表示、ストップウォッチ、タイマー等の腕時計としての基本機能の他に、iPhoneと連動させることで電話の着信通知、メール送受信等が可能となる。他にも数多くのアプリケーションが用意されており、必要なものをダウンロードしてiPhoneと連携させて利用することが可能になっている。また、加速度センサーや心拍計を内蔵しており、iPhone内蔵のGPSと連携することで位置情報も取得でき、運動量を記録することが可能である点も特徴である。

Apple Watchの操作は、本体の横に付いたボタンと回転と押下が可能な「デジタルクラウン」の操作、ディスプレイ上でのタッチパネル操作、音声入力操作を併用して行う。電池寿命は標準的な使用で18時間程度である。

Apple Watchに搭載されている内蔵アプリケーションは次の表のとおりである(図表4-1-1-5)。基本的にiPhoneと連携しない限りアプリケーションは動作しないが、時計・タイマーや音楽再生等の一部機能はiPhoneと連携していない状況でも利用できる。

図表4-1-1-5 Apple Watchの主な内蔵アプリケーション
(出典):Apple社ホームページより作成
イ Intel「MICA」

Intelが米国ファッションブランドのOpening Ceremony社と共同開発したブレスレット型のウェアラブルデバイスであり、2014年12月に米国で発売された(図表4-1-1-6)。MICAはMy Intelligent Communication Accessoryの略であり、LinuxベースのOSを搭載する。女性向けのファッション性の高いデザインに加え、3G通信モジュールが搭載されており、スマートフォンと連携せずに単体で情報連携が可能になることから注目されている。

図表4-1-1-6 MICA
(出典)インテル株式会社提供資料

MICAは米大手通信キャリアAT&Tの3G携帯通信モジュールを内蔵しており、スマートフォンと連携しなくてもテキストメッセージの送受信などのインターネット利用が購入後2年間無料で可能である。具体的には、テキストメッセージの送受信(ただし送信する文言はあらかじめ設定した上で選択肢から選択)、Gmailや Facebookのカレンダー通知機能の利用などができるほか、位置情報とカレンダーの予定を連携させて現在地を離れるタイミングを知らせる「Time to go」機能、口コミ情報サイト「Yelp」と連携して現在地付近のレストラン等を表示する「What's Near Me」機能が備わっている2。また、頻繁な通知を避けるため、メッセージのタイプや送り手によって通知を最適化する機能も有している。

ウ その他の製品例

その他、各社から多種多様なウェアラブルデバイスが提供され始めている(図表4-1-1-7)。

図表4-1-1-7 その他のウェアラブルデバイスの例
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)


2 Intelホームページ、http://www.intel.com/content/www/us/en/wearables/mica-smart-bracelet.html別ウィンドウで開きます

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