総務省トップ > 政策 > 白書 > 27年版 > ウェアラブルデバイスの普及が暮らしに与える影響
第2部 ICTが拓く未来社会
第1節 ICT端末の新形態

(6)ウェアラブルデバイスの普及が暮らしに与える影響

現在のところ、ウェアラブルデバイスは言葉としては認知されているが、その具体的な内容までは必ずしも知られていない状況にある。当面は、ウェアラブルデバイスの利用は、健康管理への関心の特に高い層や、新たなデバイスへの関心の強い若者層に限定されるだろう。しかし第2章でみたように、インターネットや携帯電話、スマートフォンも、一部のコアなユーザーの利用から始まり、徐々にあらゆる人々へと浸透していったことを考えれば、将来的には、ウェアラブルデバイスの利用が全ての人々へと広がっていく可能性も決して低くない。それでは、仮にウェアラブルデバイスの利用が広範に普及した場合、暮らしはどのように変化するだろうか。ここでは二つの可能性を指摘しておきたい。

第1に、ウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスの普及は、データに基づく健康管理を容易にすることで利用者の健康向上に貢献するとともに、ウェアラブルデバイスを通じて継続的に取得される大量の生体データを企業や研究機関が解析することにより、疾患発生のメカニズムの解明や新たな治療法の発見にもつながると期待される。

第2に、ウェアラブルデバイスの普及は、ICT端末を「持ち歩く」ものから「身に着ける」ものへと発展させ、ICTの可能性を更に広げていくと予想される。すなわちウェアラブルデバイスは、スマートフォンの普及によって完成したインターネットのモバイル化を更に推し進め、人々が意識せず当然のこととしてネットワークに接続する「インターネットの空気化」とでも呼ぶべき事態を実現していく可能性がある。

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