第1部 東日本大震災における情報通信の状況
第4節 情報通信が果たした役割と課題

(1)災害に強いICTインフラの必要性


 通信インフラは、国民生活や産業経済活動に必要不可欠な基盤であり、災害発生時等に、緊急通報・安否確認等に係る通信や警察・防災通信等の基本的な重要通信を確保することは、国民の生命・財産の安全や国家機能の維持に不可欠である。東日本大震災においては、このような重要性を有する通信インフラについて、第1節1で指摘したとおり、広範囲にわたり、輻そうや通信途絶等の状態が生じた。 ICTを活用した様々な取組も、その多くが、ICTインフラ(及び電力)が使用できる環境がなければ、ポテンシャルを十分に発揮することは不可能である。
 今後、耐災害性に優れたネットワークなど、災害に強いICTインフラの構築に向けた取組が必要と考えられる。このことを踏まえ、総務省では、「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会」を開催し、[1]緊急時の輻そう状態への対応の在り方、[2]基地局や中継局が被災した場合における通信手段確保の在り方、[3]今回の震災を踏まえた今後のネットワークインフラの在り方、[4]今回の震災を踏まえた今後のインターネット活用の在り方など、緊急事態における通信手段の確保の在り方について検討することとしたところである。
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