第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第1章 ICTにより国民生活はどう変わったか

2 全体及び分野別の評価結果


●全体の総合評価は30か国中第3位で、基盤(整備)が先行する一方、基盤(普及)と利活用に課題

 比較した結果を図表1-1-2-1に示す。ICTの基盤(整備、普及)及び利活用の進展度を表す全体の総合評価(ICT総合進展度)では、第1位韓国、第2位スウェーデン、第3位日本、次いで、ノルウェー、デンマークとなり、我が国は30か国中第3位という結果となった。

図表1-1-2-1 ICT総合進展度、分野及び指標別のランキング
図表1-1-2-1 ICT総合進展度、分野及び指標別のランキング
我が国のICT総合進展度は30か国中第3位、内訳を見ると、基盤(整備)が第1位、基盤(普及)が第12位、利活用が第18位となっている
(出典)総務省「ICT基盤に関する国際比較調査」(平成23年)

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 続いて、基盤、利活用別及び分野別の詳細な結果をみてみよう。基盤(整備)については、分野別で比べると「7.安定性」が第3位であるものの、「6.先進性」及び「8.許容性」の双方で第1位となっているため、総合でみると我が国が第1位という結果となった。
 基盤(普及)をみると、分野別では「4.固定ネット普及」が第12位、「5.モバイル環境普及」が第16位であることから、総合で第12位となり、基盤(整備)の第1位と比べると見劣りのする結果となっている。詳細にみると、「(9)モバイルブロードバンド普及率」が第3位、「(7)固定ブロードバンド料金」が第9位であるものの、「(8)携帯電話普及率」が第25位、「(10)携帯電話料金」が第27位となっており、順位を押し下げている。
 そして、利活用については、総合では第18位で中央(15位)より下位といったように、基盤(整備及び普及)の評価を考えると、特に下位の順位となっている。これについて分野別にみると、「1.個人の利活用」は第12位、「2.企業の利活用」は第7位であるが、「3.政府の利活用」は第23位と、今回評価した分野の中で最も低い順位を示しており、今後、特に注力が求められる分野であることが浮き彫りとなった。

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