第3部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

(2)ユビキタスネット医療技術の普及


 医療従事者の不足、業務負担の増大等による医療過誤を防止するため、総務省では厚生労働省と連携し、平成21年度から電子タグやセンサーネット等のユビキタスネット技術を活用した「ユビキタス健康医療技術推進事業」を実施している。平成23年度においては、これまでの検証結果を踏まえ、医療機関等へのユビキタスネット技術導入ガイドラインを策定する予定である。
 医療情報を扱う際に求められる高度な安全性確保に対する要求を踏まえ、医療分野におけるASP・SaaSの適切な利用促進を図ることを目的に、「ASP・SaaS普及促進協議会」の「医療・福祉情報サービス展開委員会」において所用の検討を行い、平成21年7月に「ASP・SaaS事業者が医療情報を扱う際の安全管理に関するガイドライン」を策定した。また、平成22年2月の「診療録等の保存を行う場所について」(厚生労働省医政局長・保険局長通知)の一部改定や「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4版」(平成21年3月厚生労働省)の改定(第4.1版の公表)に併せて、「ASP・SaaS事業者が医療情報を扱う際の安全管理に関するガイドライン」における必要部分を改定し、平成22年12月に同ガイドラインの第1.1版を公表した22
 なお、ASP・SaaS事業者が医療情報を扱う際には、関係法令や「ASP・SaaS事業者向け医療ガイドライン」等の必要な規定を踏まえた上で、ASP・SaaS事業者と医療機関等との間で契約書やサービスレベルを確認するためのSLA(Service Level Agreement)を締結する必要がある。このため、「医療・福祉情報サービス展開委員会」において、ASP・SaaS事業者が医療機関等とSLAを締結する際に必要となる事項に関する検討を行い、これを踏まえ、総務省では、平成22年12月に「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドラインに基づくSLA参考例」を策定した。


22 「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドラインに基づくSLA参考例」及び「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン第1.1版」の公表:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_01000009.html
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