第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第2章 浮かび上がる課題への対応

(2)ICT利活用による地域の課題解決のニーズ


●ICT利活用による地域の課題解決について、実施自治体は肯定的回答が多く、未実施団体はどちらともいえないとの回答が多い

 ICT利活用事業の効果については、実施自治体の75.8%が「所定の成果が上がっている(35.7%)」又は「一部であるが、成果が上がっている(40.1%)」と回答している(図表2-3-3-310。「期待した成果が不十分である」との回答は7.0%であったことから、実施自治体の多くがICT利活用は地域の課題解決に役立つと考えている。

図表2-3-3-3 ICT利活用事業における地域の課題解決の考え方(実施自治体)
図表2-3-3-3 ICT利活用事業における地域の課題解決の考え方(実施自治体)
肯定的回答が7割強
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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 一方、未実施自治体については、「どちらともいえない」との回答が46.4%となっている(図表2-3-3-4)。また、30.2%が「役立つ・役立つ可能性が高い」と回答しており、「役立たない・役立つ可能性が低い」との回答は4.8%であったことから、未実施団体においても、必ずしもICT利活用が地域の課題解決に役立たないと考えているわけではない。

図表2-3-3-4 ICT利活用事業における地域の課題解決の考え方(未実施自治体)
図表2-3-3-4 ICT利活用事業における地域の課題解決の考え方(未実施自治体)
「どちらともいえない」が46.4%
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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 また、自治体による事業の必要性については、「必要性は高い」との回答が12.6%、「必要性は低い」との回答が11.2%であるのに対し、「どちらともいえない」との回答は61.9%となっている(図表2-3-3-5)。未実施自治体においては、約半数の自治体でICT利活用が地域の課題解決に有効であるのかどうか判断が付いておらず、地域が抱える課題をICTが解決できる可能性を持っていることが十分に認識されていないことがわかる。

図表2-3-3-5 ICT利活用事業の必要性
図表2-3-3-5 ICT利活用事業の必要性(未実施自治体)
「どちらともいえない」が61.9%
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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●ICT利活用による地域の課題解決について、効果を「見える化」することが重要

 ICT利活用に関する課題解決の考え方や必要性について、「どちらともいえない」と回答している自治体、特にICT利活用事業未実施の自治体に対しては、他の自治体での成功例やノウハウを共有することにより、ICT利活用が地域の課題の解決や地域活性化に対し、具体的にどのような効果があるのかを明確にすることで、ICT利活用の実施の可否を判断しやすくなるのではないかと考えられる。


10 図表2-3-3-3〜2-3-3-5については、各分野について、自治体が実施又は未実施のシステムを1サンプルとして集計したものの全分野平均である
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