第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第2章 浮かび上がる課題への対応

(1)子どものICT利用状況


●子どもの年齢が高くなるにつれて、幅広い機能を利用する傾向

 利用機能別にみた、子どものICT利用状況を小学生、中学生、高校生の別に分類したものが図表2-1-2-1である。子ども全体では、「ホームページの閲覧」が最も多く68.8%となっている。また、その中で、小学生、中学生、高校生と年齢が高くになるにしたがって、利用率は56.5%、72.1%、75.3%と増加している。続いて、「音楽・動画の視聴」が多く全体で49.0%であり、これも、小学生、中学生、高校生と年齢が高くになるにしたがって、利用率は35.5%、50.8%、54.8%と増加している。また、オンラインゲームは、小中高生ともに3割程度が利用している。それ以外のICT利用を含めた全般としては、年齢が上がるにつれて、利用機能の幅が広がっていく傾向が見て取れる。

図表2-1-2-1 利用機能別で見た子どものICT利用状況
図表2-1-2-1 利用機能別で見た子どものICT利用状況
子どもは年齢が高くなるにつれて、幅広い機能を利用する傾向
(出典)総務省「ICT利活用社会における安心・安全等に関する調査」(平成23年)

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●子どもの年齢が高まるにつれて、情報活用能力は高まる傾向

 次に、子どものICT利用状況について、情報活用能力や利用機能の数で見てみた。すると、子どもの年齢が高まるにつれて、情報活用能力が高まり、利用機能の数も多くなる傾向がみられた(図表2-1-2-2及び図表2-1-2-3)。このように、小中高生についていえば、年齢が高まるにつれて、ICTを使いこなす能力が高くなっていることがわかる。

図表2-1-2-2 子どもの情報活用能力の状況
図表2-1-2-2 子どもの情報活用能力の状況
子どもの年齢が高まるにつれて、情報活用能力が高まる傾向
(出典)総務省「ICT利活用社会における安心・安全等に関する調査」(平成23年)

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図表2-1-2-3 子どもの利用機能の数
図表2-1-2-3 子どもの利用機能の数
子どもの年齢が高まるにつれて、利用機能の数が増える傾向
(出典)総務省「ICT利活用社会における安心・安全等に関する調査」(平成23年)

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●子どもは親と比べて不安を感じていない

 では、子どものICT利用の際の不安はどのようになっているだろうか。この点について分析したのが、図表2-1-2-4である。子どものICT利用の際の不安を見てみると、全体としては、親と比べて子どもの不安は10〜40%ほど低い。一方、小中高校生別の不安については、年齢が高まるにつれて不安が高くなっている。ただし、最も不安が高い高校生でも、親と比べると不安は低い状況となっている。
 このことから、一般に子どもはICTの利用の際の不安は、親と比べてあまり感じておらず、年齢が高まるにつれて、親の不安の程度に近づいていくとも考えられる。

図表2-1-2-4 小中高生別のICT利用の際の不安
図表2-1-2-4 小中高生別のICT利用の際の不安
子どもの不安は年齢が高まるにつれて不安が高くなっているものの、親と比べると不安は低い
(出典)総務省「ICT利活用社会における安心・安全等に関する調査」(平成23年)
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