第3部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

第8節 郵政行政の展開


1 郵政行政の推進

 平成19年10月にスタートした現在の郵政民営化については、従来1社で営まれた経営形態を5分社化する等により、郵政事業の経営基盤の脆弱化や国民利用者の利便性の低下が指摘される等の問題が表面化した。
 このため、政府として、平成21年10月に「郵政事業に関する国民の権利として、国民共有の財産である郵便局ネットワークを活用し、郵便・郵便貯金・簡易生命保険の基本的なサービスを全国あまねく公平にかつ利用者本位の簡便な方法により、郵便局で一体的に利用できるようにする」こと等を内容とする「郵政改革の基本方針」を閣議決定し、郵政事業の抜本的見直し(郵政改革)を本格的に取り組むところとなった1
 平成21年12月には、政府保有の日本郵政株式会社株式や日本郵政株式会社保有のゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式の売却を凍結すること等を内容とする「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律」が成立・施行された。また、平成22年4月には、5分社化された日本郵政グループを3社体制へ再編し、新しい日本郵政株式会社の責務として郵便・貯金・保険のユニバーサルサービスの確保を定めること等を内容とする郵政改革関連法案を閣議決定し、第174回国会(常会)に提出したものの、廃案になった。その後、平成22年10月に再度、同法案を閣議決定し、第176回国会(臨時会)に提出し、第177回国会(常会)において継続審議となっている。


1 郵政改革:http://www.soumu.go.jp/yusei/mineika/index.html
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