第3部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

(2)地域におけるICT利活用の推進


 総務省では、地域の抱える課題(医師不足、少子高齢化、地域の治安低下、災害対策、地域経済の活性化、地域コミュニティの再生等)の解決に資するICTを利活用した取組を実施・推進し、地域社会の活性化・課題解決に貢献するとともに、地域におけるICT利活用を促進することを目的に様々な取組を実施している。

ア 地域ICT利活用広域連携事業
 全国各地域における公共的な分野に関するサービスを総合的に向上させるとともに、効果的・効率的なICT利活用の促進を図るため、平成22年度〜23年度において、複数の市町村域にまたがって広域連携を実施することによる、情報通信技術面及び人材育成・活用面での課題等を抽出して標準仕様を策定し、得られた成果を全国に普及することを目的として、「地域ICT利活用広域連携事業」を実施している。

イ 地域雇用創造ICT絆プロジェクト
 地域に根ざした雇用創造を推進することを目的として、平成22年度において、公共サービス分野(教育、福祉等)及び地場産業分野(観光、地域特産品等)におけるICT利活用の取組を支援することにより、地域雇用の創出、地域人材の有効活用を図る「地域雇用創造ICT絆プロジェクト」を実施した。

ウ 地域情報プラットフォームの活用推進
 地域情報プラットフォームとは、地方公共団体等の様々な情報システム同士が連携して業務を処理することを目指すものであり、情報システム間の連携を実現するために各情報システムが従うべき業務面・技術面でのルール(標準仕様)である。地域情報プラットフォームを活用することにより、ワンストップサービス等の住民サービスの向上、事務の効率化等の実現が可能となる。総務省では、(財)全国地域情報化推進協会と協力し、「地域情報プラットフォーム標準仕様」2の普及を推進している。
 また、平成20年度〜22年度に「地域情報プラットフォーム推進事業」3等を実施し、引越等に代表される組織の枠を超えた業務や手続について、地方公共団体間等における情報システム連携による技術的可能性や業務改革案・システム改革案について検討を行った。組織の枠を超えた情報システム間連携により、住民の利便性の更なる向上と一層の行政効率化の実現が可能となる。さらに、自治体クラウドと一体となった取組を推進していくこととしている。


2 参考:(財)全国地域情報化推進協会 技術専門委員会 成果物:http://www.applic.or.jp/2011/tech
3 参考:地域ICT振興に関する各種施策:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/index.html
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