第1部 東日本大震災における情報通信の状況
第4節 情報通信が果たした役割と課題

(2)デジタル・アナログの情報変換


 今回、安否情報、被災地情報や生活情報など紙ベースのアナログ情報がデジタル化され、インターネット等を通じて発信・共有されたが、それらデジタル情報は、インターネットが利用できない人にも十分伝えることはできたのか、との指摘がなされた。
 特に、被災地においては、第1節で述べたとおり、多くの地域で通信インフラが途絶しており、また、通信インフラが確保出来た地域においても、パソコン等情報通信機器の毀損や、停電等の問題により、通常時のように十分に活用することが困難であった地域が多い。さらに、被災地で、インターネット、特にソーシャルメディアを使いこなせた人は限定されていたと考えられる。このような結果、被災地におけるニーズが適時適確には伝わらずに、需要と供給のミスマッチが生じた事例もあったとの指摘があった。
 今後、情報弱者へのリテラシーの向上に向けた取組、高齢者等にも使い勝手のよい端末・サービスの開発や、インターネットの利用が困難な場合については、その他の多様な手段を併用した情報伝達を行うといった取組も必要となってくると考えられる。
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