第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第2章 浮かび上がる課題への対応

(4)情報化NPOの実態


●情報化NPOは、都市に集積する傾向がある

 特定非営利活動法人について、内閣府「全国特定非営利活動法人情報の検索」サイト20より、「情報化社会の発展を図る活動」を実施している特定非営利活動法人を「情報化NPO」と定義し、その実態について把握したところ、全特定非営利活動法人41,204中、情報化NPOは3,644あり、全特定非営利活動法人の8.8%を占めている(平成23年3月現在)。
 これら情報化NPOは、南関東地区、近畿地区及び東海地区に多く所在している(図表2-3-7-8)。都市人口規模別に見てみると、人口10万人以上の都市に全体の74.4%が所在している(図表2-3-7-9)。都市種別に見てみると、県庁所在地及び東京23区に所在するNPOが52.5%となっている(図表2-3-7-10)。

図表2-3-7-8 情報化NPOの立地状況(地域ブロック)
図表2-3-7-8 情報化NPOの立地状況(地域ブロック)
南関東地区、近畿地区及び東海地区に多く所在
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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図表2-3-7-9 情報化NPOの立地状況(都市人口階級別)
図表2-3-7-9 情報化NPOの立地状況(都市人口階級別)
人口10万人以上の都市に約3/4
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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図表2-3-7-10 情報化NPOの立地状況(都市種別)
図表2-3-7-10 情報化NPOの立地状況(都市種別)
県庁所在地及び東京23区に52.5%
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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●財政力の弱い自治体内には情報化NPOが少ない

 情報化NPOの立地状況について、自治体の財政力指数との関係に注目すると、財政力指数が0.75以上の都市及び東京23区に所在するNPOが68.3%となっており、財政力指数が0.3未満の自治体(おおむね下位25%)には2.7%しか所在していない(図表2-3-7-11)。

図表2-3-7-11 情報化NPOの自治体の所在する財政力指数
図表2-3-7-11 情報化NPOの自治体の所在する財政力指数
財政力の弱い自治体内には情報化NPOが少ない
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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●情報化NPOの財政・組織基盤はぜい弱

 情報化NPOの財政規模については、当該NPOの74.3%が、財政規模500万円未満を占める(図表2-3-7-1221。これは全NPOにおける同割合63.6%より、10.7ポイント多い。また、常勤の事務局スタッフについては、常勤スタッフ(有給常勤)スタッフが1名以上いる団体については、NPO全体の1.7%と比較すると多いものの、7.7%にとどまっている(図表2-3-7-13)。この結果、情報化NPOについては財政基盤や組織がぜい弱な団体が多いことが分かる。

図表2-3-7-12 情報化NPOの財政規模
図表2-3-7-12 情報化NPOの財政規模
財政規模の脆弱な団体が多い
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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図表2-3-7-13 情報化NPOの常勤スタッフ数
図表2-3-7-13 情報化NPOの常勤スタッフ数
常勤スタッフのいる団体は1割弱
(出典)総務省「ICT利活用システムの普及促進に係る調査研究」(平成23年)

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20 参考:内閣府「全国特定非営利法人情報の検索」サイト:https://www.npo-homepage.go.jp/portalsite.html
なお、当該データから識別不可能であった千葉県のNPOについては、同県のデータから当該特定非営利活動法人の所在地をコード化して調整している
21 図表2-3-7-12及び図表2-3-7-13は、日本NPOセンターのデータベース「NPOヒロバ」に登録されている特定非営利活動法人のうち、財政規模、有給常勤事務局スタッフ数を自主的に登録した特定非営利活動法人についての分析。(出典:特定非営利活動法人日本NPOセンター、NPOヒロバ http://www.npo-hiroba.or.jp/より作成)。財政規模については、年間の活動に係る経費等である
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