第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第2章 浮かび上がる課題への対応

コラム 公立小学校でタブレット型端末を導入し授業で活用〜佐賀県武雄市立山内東小学校における取組〜


●タブレット型端末と電子黒板を用い、双方向性を活かした授業を実施

 佐賀県武雄市立山内東小学校は児童数約250名の公立小学校である。同校では最近注目が集まっているタブレット型端末を導入し授業で活用している(図表1)。当初は40台を整備し、その後、総務省の地域雇用創造ICT絆プロジェクト(教育情報化事業)を活用して小学校4〜6年生までの児童と担任教員用に計146台を整備した。同時に電子黒板も導入し、双方向性を活かした協働学習を実施している。
 児童は様々な教科等で、端末の操作や活用方法を習得する。植物図鑑のソフトや辞書機能などを使って教科書を補完したり、自ら調べることで学習への意欲や関心を高めたりするといった教育を受けている。また、授業の前後10分にタブレット型端末を利用して3〜5問程度のドリル学習を実施している。タブレット型端末と電子黒板との連携により、児童がタブレット型端末に記入したことが電子黒板に表示でき、児童相互の考えの交流を行っている。このほか、小学生新聞のアプリを使い、朝の読書の時間に新聞記事を読んだり、記事の中から学年に応じた漢字の練習も行っている。
 教員はLMS(ラーニングマネジメントシステム)と共有サーバーによって授業情報の管理・保管を行い、これによって、児童一人ひとりの理解度が把握できるようになっている。また、デジタル環境での教育を円滑に行うための人的なサポート体制を充実させている。教員に代わって、紙のテスト問題を電子化するため「ICT支援員」を1名配置している。
 児童は楽しみながら端末を利用しており、普段よりも集中して学習し定着率も高いようである。
 同校では今後、佐賀大学やタブレット型端末を導入した武雄市内の他の小学校、佐賀市内の小学校(3校)とも定期的に情報交換を進めていく予定である。また、各教員の作成した教材や、実施上気づいた点をサーバーに蓄積して情報の共有化にも取り組む予定である。

図表1 佐賀県武雄市立山内東小学校
図表1 佐賀県武雄市立山内東小学校
タブレット型端末と電子黒板を用い、双方向性を活かした授業を実施
(出典)総務省「ICT利活用社会における安心・安全等に関する調査」(平成23年)
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