第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第1章 ICTにより国民生活はどう変わったか

(3)情報源としての重要性・信頼性の変化


●テレビ、新聞に対する重要性認識は大きく変化しなかったが、インターネットに対する重要性認識は大きく増加

 ウェブサイトの認知は向上したが、情報源としての重要性や信頼性は変化しているのだろうか。まず、「情報を得るための手段」として、利用率の高かったテレビ、新聞、インターネットの3つの情報メディアについて、重要性を測定したところ、従来からの情報源であるテレビ、新聞を「重要である」と認識する割合は大きくは変化していない。一方で、インターネットを「重要である」と認識している人は、平成17年から平成22年にかけて20.0ポイント増加し、61.4%となっている(図表1-3-2-5)。

図表1-3-2-5 情報源としての重要性
図表1-3-2-5 情報源としての重要性
インターネットを「重要である」と認識している人は、平成17年の41.4%から平成22年の61.4%と20.0ポイント増
(出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年)
(「日本人の情報行動2005」及び「2010年日本人の情報行動調査」により作成)

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●テレビはすべての世代で重要性を認識されているが、インターネットは年代差が大きく、年代によっては、テレビと同様の重要性認識となっている

 テレビとインターネットの情報源としての重要性について年代別に見てみると、テレビは、平成17年と平成22年で大きな変化はなく、すべての年代において大半が「重要である」ととらえている(図表1-3-2-6)。一方、インターネットは年代差が大きく生じている。平成17年の段階でも、10代〜40代を中心に重要性を持つという意識が高かったが、平成22年には20代で8割を超えるなど、年代によっては、テレビと同様に重要性を持つ情報源になっていると考えられる。

図表1-3-2-6 年代別テレビ、インターネットの情報源としての重要性
図表1-3-2-6 年代別テレビ、インターネットの情報源としての重要性
平成22年において、20代では81.1%がインターネットを重要であると認識
(出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年)
(「日本人の情報行動2005」及び「2010年日本人の情報行動調査」により作成)

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●インターネットの信頼性は上昇しているが、信頼性が高い情報源として認識している人は少ない

 一方、情報源としての信頼性の観点で見ると相違はあるだろうか。重要性と同様に、「情報を得るための手段」として3つの情報メディアの信頼性を測定したところ、テレビや新聞に対する信頼性については、大きな変化がみられなかった(図表1-3-2-7)。一方、インターネットの信頼性は5年間で11.2ポイント増加したが、テレビ(63.3%)、新聞(72.7%)の半分にも満たない28.9%にしか達しておらず、信頼性が高い情報源として認識している人はまだ多くはないと考えられる。

図表1-3-2-7 情報源としての信頼性
図表1-3-2-7 情報源としての信頼性
インターネットの信頼性は平成17年17.7%から平成22年に28.9%と、11.2ポイント増加
(出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年)
(「日本人の情報行動2005」及び「2010年日本人の情報行動調査」により作成)

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●情報源としての信頼性については、顕著な年代差が生じていない

 テレビとインターネットに対する情報源としての信頼性について、平成17年と平成22年で、それぞれ年代別に見てみる。テレビについては、10代と60代での信頼性が高く、これは、平成17年・22年とも同様の傾向である。インターネットについては、平成17年においては、10代での信頼性が高かったものの、平成22年においては、年代での大きな変化はみられなくなっている。インターネットについては、どの年代においても信頼性は向上しているものの、60代については、比較的信頼性が低い(図表1-3-2-8)。

図表1-3-2-8 年代別テレビ、インターネットの情報源としての信頼性
図表1-3-2-8 年代別テレビ、インターネットの情報源としての信頼性
テレビ、インターネットともに、すべての年代で信頼性を認識している人が増加した
(出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年)
(「日本人の情報行動2005」及び「2010年日本人の情報行動調査」により作成)
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