第3部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

(2)衛星放送政策の展開


ア 衛星放送の現状
 我が国の衛星放送は、多彩な専門放送サービスの提供、テレビジョン放送の高精細度化をはじめとして、技術先導的なメディアとしての役割を果たしてきた。衛星放送の現状としては、特別衛星放送(BS放送及び東経110度CSデジタル放送)対応受信機出荷台数(累計)は約10,485万台(平成23年3月末現在)、特別衛星放送視聴可能世帯数も約2,340万世帯(平成22年3月末現在)となっている。

イ BS放送のデジタル化の推進
 BSデジタル放送については、現在、5周波数を使用して、HDTV11番組が放送されているが、平成19年7月の電波監理審議会答申を受け、平成23年以降、BSデジタル放送のために新たに7周波数を使用することが決定されている。
 これを受け、これまで、平成20年7月に「平成23年以降に開始される予定の新たなBSデジタル放送に係る委託放送業務の認定に関する基本的方針」を策定・公表し、その後「平成23年以降の新たなBSデジタル放送に係る参入希望調査」を実施した。これらを踏まえ、平成21年2月に委託放送業務の認定申請を受け付けるに当たり必要な制度整備を行った。
 平成21年2月から委託放送業務認定の申請を受け付け、平成21年6月に、9者・HDTV12番組に対し、委託放送業務の認定を行った。また、平成22年10月には、平成21年の認定の際に割当を行わなかった帯域を対象に、新たに5者HDTV6番組、1者・SDTV1番組に対して委託放送業務の認定を行った(図表5-2-2-6)。

図表5-2-2-6 BS放送における委託放送業務の認定状況
図表5-2-2-6 BS放送における委託放送業務の認定状況

 BSアナログ放送の終了については、平成20年3月の終了期日決定後、BSデジタル放送への円滑な移行を目的として、BS放送に関係する事業者、団体及び総務省が参加する「BSアナログ放送の終了に係る関係者連絡会」を設置し、BSアナログ放送終了の周知広報用リーフレット及び「BSアナログ放送の終了に係るQ&A」の作成等、周知広報の推進や視聴者からの問い合わせに対する相談体制の整備等の取組が進められた11

ウ 映像国際放送の強化
 近年のグローバル化の進展を踏まえ、対外情報発信力の強化が重要な課題となっている。平成19年の放送法改正においては、外国人向けに特化した新たな映像国際放送の制度化が行われ、総務省では、投入国費の大幅な拡充(平成20年度:15.2億円、21年度:24.5億円、22年度:24.5億円、23年度24.5億円)等の施策を講じたところである。
 平成20年4月の改正放送法施行後、NHKからの業務委託を受ける子会社((株)日本国際放送(jibtv))が設立され、平成21年2月から、24時間完全英語の新たな外国人向け映像国際放送が開始されている。総務省としては、jibtvの独自番組を含めた当該チャンネル全体の番組内容の更なる充実、受信環境整備(受信可能な国・地域の拡大。平成23年3月末現在、約1億3,655万世帯が受信可能)及び国際的な認知度の向上等に向けた取組を推進している。


11 参考:「BSアナログ放送の終了に係る関係者連絡会」:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080415_3.html
参考:BSアナログ放送の終了に係るQ&A:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/bs-analog_syuuryou/faq.html
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