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第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
5 5Gのその先へ

5 5Gのその先へ

5Gの社会実装によって、現実世界(フィジカル空間)とサイバー空間の間でのデジタルデータの送受信が、より高速に、より大量に、遅延を極小化して行えるようになる。すなわち、サイバー空間とフィジカル空間が一体化するサイバー・フィジカル・システム(CPS)が実現し、データを最大限活用したデータ主導社会への移行が進んでいくこととなる。そこでは、デジタル時代の新たな資源である大量のデータから新たな価値創造が行われることにより、様々な社会課題解決と経済成長を両立する「Society 5.0」2が実現することとなる。

2030年代には、サイバー空間とフィジカル空間の一体化がさらに進展し、新型コロナウイルスのような新たな感染症の流行や大規模な自然災害の発生などフィジカル空間に不測の事態が起きた場合であっても、サイバー空間を通じて国民生活や経済活動を円滑に維持できる強靱で活力のある社会が実現されるであろう。そのことは、人類の共通基盤として持続可能な地球環境と国際社会の構築にも大きく貢献するものと期待される。

2030年代に上記のような社会を実現するためには、CPSの完全同期が不可欠であり、極めて大量の情報があらゆる空間において遅滞なく安全・確実に流通できる、より高度な通信インフラが必要となる。5Gの特長の更なる高度化に加えて、あらゆる機器が自律的に連携し、最適なネットワークを構築する自律性、地球上のどこでも通信を可能とする拡張性、セキュリティ・プライバシーが常に確保される超安全・信頼性、データ処理量の激増に対応できる超低消費電力、といった機能を実装した次世代の移動通信システム=“Beyond 5G”が必要と考えられている。

各国においても、次世代の移動通信システムの実現に向けた取組を始めており、我が国においてもBeyond 5Gの実現に向けて、官民が一丸となって、国際連携のもとで戦略的に取り組むための「Beyond 5G推進戦略」を策定したところである。



2 Society 5.0は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)の次に到来する、サイバー空間と現実世界が高度に融合することで、経済発展と社会的課題の解決の両立を可能とする人間中心の社会と位置付けられている。

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