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第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第1節 新たな価値を創出する移動通信システム

(2)5Gの基本コンセプト

4Gまでの移動通信システムは、最大限のスループット(データ処理能力)を確保し、高速・大容量通信の提供を目指したシステムであった。しかしながら、通信速度、遅延時間、カバレッジなどに限界があったことから、全てのユースケースへの対応は困難なベストエフォート型のシステムとならざるを得なかった。

それに対し5Gは、あらゆる利用シナリオでユーザが満足できるエンド・ツー・エンドの品質を提供するものとされており、有線と一体として活用することで、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」という3つの異なる要求条件に対応することが可能な優れた柔軟性を持つネットワークでもある。しかし、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」といった5Gの要求条件を1つのネットワークで全て満たすことは、未だ技術的、コスト的にハードルが高く、また、現実の利用シーンを想定した場合、これらの要求条件を同時に満たさなければならないような状況は多くないと考えられる。このため、5Gでは、全ての要求条件に対応するネットワークを整備するのではなく、ユースケース、利用シナリオ等に応じて、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」のうち必要な機能、品質を提供するネットワークとなる。

上記のようなネットワークを実現するため、5G(NR)、LTE、Wi-Fiなど様々な無線技術から構成されるヘテロジニアス・ネットワークを基本としたネットワーク構築が想定されている。

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