総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > プラットフォームサービスに関する課題への対応の在り方
第2部 基本データと政策動向
第2節 電気通信事業政策の展開

(3)プラットフォームサービスに関する課題への対応の在り方

プラットフォーム事業者が大量の利用者情報を活用してサービスを提供していることを踏まえ、利用者情報の適切な取扱いの確保の在り方等について、2018年(平成30年)10月から2020年(令和2年)2月まで「プラットフォームサービスに関する研究会」を開催し、検討を行ってきた。同研究会では、2019年(平成31年)4月に、これまでの議論を踏まえ、プラットフォームサービスの拡大に伴う政策対応上の主要論点と基本的方向性に係る提言を中間報告書として公表した。同中間報告書の公表以降、利用者情報の適切な取扱いの確保の在り方及びフェイクニュースや偽情報への対応の在り方について、同研究会において、また、トラストサービスの在り方については、同年1月から同研究会の下で開催したトラストサービス検討ワーキンググループにおいて、それぞれ有識者、国内外のプラットフォーム事業者その他の関係者から累次にわたるヒアリングを実施し、主要課題の検討及び論点の整理のための議論を重ね、同研究会及び同ワーキンググループの各検討結果を踏まえ、2020年(令和2年)2月に最終報告書が取りまとめられた。

同最終報告書において、利用者情報の適切な取扱いの確保については、我が国の利用者に通信サービスを提供する国外事業者に対し、「通信の秘密」の保護をはじめとする電気通信事業法の規律を及ぼすよう所要の措置を講ずることが適当と示された。その具体的な方策の在り方として、①通信の秘密の確保に支障等がある場合、行政処分(業務改善命令)を発する、②確実な法執行のため、参入規律(登録又は届出)を及ぼすとともに、国内代表者又は国内代理人の指定を求める、③通信の秘密の漏えいや重大な事故等が発生した場合の報告等、④法令違反行為の公表、⑤業務改善命令の発動に係る指針の策定、行政当局と事業者との継続的な対話を通じた透明性・予見可能性の向上、が示された。また、今後の検討の具体的な方向性として、①いわゆる「同意疲れ」への対応、②端末情報の取扱い、について、今後のさらなるAIの活用やIoT化の進展に伴い、電気通信分野における市場構造やデータ流通環境が大きく変化することが想定される中で、通信の秘密に係る基本理念を維持しつつ、新しい時代に相応しい通信の秘密・プライバシーの保護に係る規律の在り方を念頭に置いて、具体的な検討を進めていくことが適当と示された。

フェイクニュースや偽情報への対応については、「表現の自由」に配慮し、まずは民間部門における自主的な取組を基本として、①自主的スキームの尊重、②我が国における実態の把握、③多様なステークホルダーによる協力関係の構築、④プラットフォーム事業者による適切な対応及び透明性・アカウンタビリティの確保、⑤利用者情報を活用した情報配信への対応、⑥ファクトチェックの推進、⑦ICTリテラシー向上の推進、⑧研究開発の推進、⑨情報発信者側における信頼性確保方策の検討、⑩国際的な対話の深化関係者で構成するフォーラムの設置、の10項目に関し、具体的な施策についての取組の方向性が示された。

一方、トラストサービスの在り方については、なりすましや改ざん等を防止する仕組みとしてのトラストサービスについて、国や民間の認定制度を創設するなど、方向性が示された。

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