新型コロナウイルス感染症の影響で2021年までの延期が決定した東京2020大会であるが、2013年のIOC総会にて1964年以来56年ぶりに東京での開催が決定して以降、2020年に向けて我が国の様々な分野においてICTの導入、活用が進められてきた。
1964年の東京大会においては、日本IBMにより日本で初めて構築されたオンラインシステムによるプレスセンターへのリアルタイムでの競技結果配信や、オリンピック初の衛星放送の生中継が行われるなどデジタル技術の導入が進んだ。同様に、東京2020大会に向けても5Gの商用サービス開始やキャッシュレス、テレワークの推進、多言語音声翻訳の性能向上等、産業分野から生活に身近な分野まで社会のあらゆる分野でデジタル化が進んでいる。
本節では、東京2020大会に向けて進められてきた社会のデジタル化の現状と大会以降の我が国に定着させるための取組について概観する。