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第2部 基本データと政策動向
第2節 ICTサービスの利用動向

(2)電気通信の利用状況

ア 通信回数・通信時間
(ア)総通信回数・総通信時間9

●総通信回数及び通信時間は減少傾向

2018年度における我が国の総通信回数は783.0億回(前年度比4.7%減)、総通信時間は30.3億時間(前年度比3.8%減)であり、いずれも減少が続いている。

発信端末別の通信回数では、IP電話発が164.0億回(前年度比1.9%増)と引き続き増加している一方、固定系10発は152.7億回(前年度12.7%減)、移動系11発の通信回数は466.3億回(前年度比4.1%減)となった(図表5-2-2-18)。

図表5-2-2-18 通信回数の推移(発信端末別)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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発信端末別の通信時間では、IP電話発が4.8億時間と横ばいである一方、固定系発は4.2億時間(前年度比12.8%減)、移動系発の通信時間は21.3億時間(前年度比2.4%減)と減少傾向にある。(図表5-2-2-19)。

図表5-2-2-19 通信時間の推移(発信端末別)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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2018年度における、1契約当たりの1日の通信時間は、固定通信では、加入電話が2分8秒(前年度差14秒減)、ISDNは10分43秒(前年度差12秒減)、IP電話が1分51秒(前年度差5秒減)、携帯電話・PHSが1分59秒(前年度差8秒減)といずれも減少している(図表5-2-2-20)。

図表5-2-2-20 1契約当たりの1日の通信時間の推移
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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(イ)距離区分別の通信状況

●固定通信(加入電話・ISDN)については59.5%、携帯電話・PHSについて78.1%が同一都道府県内での通信

固定通信(加入電話及びISDN)から発信される通信について、同一単位料金区域(MA: Message Area)内に終始する通信回数の割合は42.7%、隣接MAとの通信回数割合は12.7%であり、両者を合わせると、55.4%となる。県内・県外別の通信回数比率では、同一都道府県内に終始する県内通信が59.5%となっている(図表5-2-2-21)。

図表5-2-2-21 固定通信(加入電話・ISDN)の距離区分別通信回数構成比の推移
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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また、携帯電話・PHSの同一都道府県内に終始する通信回数の比率は78.1%となっている(図表5-2-2-22)。

図表5-2-2-22 携帯電話・PHSの距離区分別通信回数構成比の推移
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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(ウ)時間帯別の通信状況

●通信回数、通信時間については、固定通信は9時〜正午及び13時〜18時の時間帯が、移動通信は夕方18時がピークとなっている

A 固定通信の時間帯別通信回数・通信時間

固定通信の時間帯別通信回数は、企業等の業務時間である9時から正午までと、13時から18時までの時間帯が多くなっている。また、時間帯別通信時間も、通信回数と同様の傾向を示している(図表5-2-2-23図表5-2-2-24)。

図表5-2-2-23 固定通信と移動通信の時間帯別通信回数の比較(2018年度)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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図表5-2-2-24 固定通信と移動通信の時間帯別通信時間の比較(2018年度)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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B 移動通信の時間帯別通信回数・通信時間

移動通信(携帯電話及びPHS)の時間帯別通信回数は、朝8時頃から増加した後、夕方18時前後に通信回数のピークを迎え、その後減少している。また、通話時間についても朝8時頃から増加し始めるが、夕方、17時から18時ごろにピークを迎え、その後減少するものの、深夜24時を過ぎても通信時間が多い傾向がみられる(図表5-2-2-23図表5-2-2-24)。また、固定通信と移動通信の平均通話時間を比較すると、固定通信のピークが20時から21時であるのに対し、移動通信のピークは0時から1時頃と、異なる傾向がみられる(図表5-2-2-25)。

図表5-2-2-25 固定通信と移動通信の平均通信時間の比較(2018年度)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成30年度)」
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イ トラヒックの状況
(ア)インターネットのトラヒック

●我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックは、2019年11月時点で平均約12.7Tbpsに達し、前年同月比15.2%増加

A ブロードバンド契約者のトラヒックの推移

2019年11月時点の国内ISP9社12のブロードバンドサービス契約者のトラヒックについては、ダウンロードトラヒック(A1 OUT)が月間平均で8,641.0Gbps(前年同月比18.7%増)となり、増加傾向である。ダウンロードトラヒック(A1 OUT)とアップロードトラヒック(A1 IN:1,073.0Gbps)の比は8.1倍であり、ダウンロード型の利用が中心である(図表5-2-2-26)。

B ISP間で交換されるトラヒックの推移

SP間で交換されるトラヒックについては、国内主要IX13と交換されるトラヒック(B1)、国内主要IXを介さず国内ISP等と交換されるトラヒック(B2)及び国外ISP等と交換されるトラヒック(B3)のいずれも流入が流出を上回っている(図表5-2-2-26)。

C 我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推定

国内ISP9社のブロードバンドサービス契約者(FTTH,DSL,CATV,FWA)のトラヒック(A1)と、我が国のブロードバンド契約数における国内ISP9社の契約数のシェアから、我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックを試算した。その結果、2019年11月時点では平均で約12.7Tbpsのトラヒックがインターネット上を流通していると推定される。同トラヒックは前年同月比15.2%増となるなど、近年のインターネット上のトラヒックは引き続き増加している(図表5-2-2-26)。

図表5-2-2-26 我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算※1※2
総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算(2019年11月時点の集計結果の公表)」により作成
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図表5-2-2-27 我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推移
総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算(2019年11月時点の集計結果の公表)」により作成
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000160.html別ウィンドウで開きます
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(イ)移動通信のトラヒック

●直近1年間では約1.2倍のペースで移動通信トラヒックが増加

近年、データ通信を中心としたトラヒックの増加が移動通信システムに係る周波数のひっ迫の大きな要因となっていることに鑑み、移動通信事業社5社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、UQコミュニケーションズ、Wireless City Planning)の協力を得て、移動通信のトラヒック量(非音声)のデータを集計・分析した結果、2019年12月現在の、移動通信のトラヒックは、平均3,557Gbpsとなり、直近1年間で約1.2倍に増加している(図表5-2-2-28)。

図表5-2-2-28 我が国の移動通信の月間平均トラヒックの推移
(出典)総務省「情報通信統計データベース」により作成
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(ウ)時間帯別トラヒックの推移
A 一週間の推移

ISP9社のブロードバンド契約者の時間帯別ダウンロードトラヒックの一週間の推移をみると、ピークの時間帯はいずれの曜日も21時から23時にある。また、土曜日、日曜日は日中時間帯の利用も多い。

移動通信のトラヒック推移についても同様に全ての曜日において増加傾向となっている(図表5-2-2-29図表5-2-2-30)。

図表5-2-2-29 ISP9社のブロードバンド契約者のダウンロードトラヒックの推移
総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算(2019年11月時点の集計結果の公表)」により作成
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図表5-2-2-30 移動通信トラヒックの推移
(出典)総務省「情報通信統計データベース」により作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html別ウィンドウで開きます
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B 曜日別の変化

ISP9社のブロードバンド契約者の時間帯別ダウンロードトラヒックの曜日別変化をみると、全ての曜日において21時から23時がピークの時間帯となっている。平日と比較して休日は朝から昼にかけてのトラヒックの増え方が大きくなっている(図表5-2-2-31)。

図表5-2-2-31 ISP9社のブロードバンド契約者のダウンロードトラヒックの曜日別変化
総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算(2019年11月時点の集計結果の公表)」により作成
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000160.html別ウィンドウで開きます
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一方、移動通信トラヒックの曜日別変化をみると、平日は朝から夕方にかけて徐々にトラヒックが増加し、昼休み帯(12時から13時まで)に一時的なピークがある。休日は朝から昼にかけて急激に増加している。平日及び休日ともに、夜間帯にトラヒックが増加し、22時頃がピークの時間帯となっている(図表5-2-2-32)。

図表5-2-2-32 移動通信トラヒックの曜日別変化
(出典)総務省「情報通信統計データベース」により作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html別ウィンドウで開きます
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ウ 電気通信サービスに関する相談・苦情等

●電気通信サービスに関する苦情・相談等の件数は、移動通信サービスに関するものが大幅に増加

2019年度の総務省に寄せられた電気通信サービスの苦情・相談等の件数は15,971件であり、前年度に比べ52.6%増加した(図表5-2-2-33)。全国の消費生活センター等及び総務省で受け付けた苦情・相談内容をサービス別に見ると、「FTTHサービス」に関するものが最も高い(図表5-2-2-34)。

図表5-2-2-33 総務省に寄せられた苦情・相談等の件数の推移
(出典)「ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルール実施状況のモニタリング会合(第8回)」等により作成
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図表5-2-2-34 全国の消費生活センター及び総務省で受け付けた苦情・相談内容の内訳(2019年4月〜2019年9月に受付けたものから無作為抽出)
(出典)「ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルール実施状況のモニタリング会合(第8回)」事務局資料より作成
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エ IPv6対応に係る現状
(ア)IPv4アドレス在庫の枯渇状況

●APNIC/JPNICのIPv4アドレスの通常在庫が枯渇

IPv4アドレスについては、2011年2月3日にIANA14 の世界共通在庫が枯渇し、わずか2か月後の4月15日には、アジア太平洋地域にIPアドレスを分配しているAPNICと我が国のIPアドレスを管理するJPNICにおいてIPv4アドレスの在庫が枯渇した(予想より大幅な前倒し)。その後、2012年9月14日にはRIPE NCC15が、2014年6月10日にはLACNIC16が、2015年9月24日にはARIN17のIPv4アドレス在庫が枯渇し、2017年4月にはAFRINIC18も最後の/8からの分配が開始され、枯渇フェーズの第一段階に入った(図表5-2-2-35)。これにより、世界に5つある全ての地域インターネットレジストリのIPv4アドレスの在庫が枯渇したことになる。

図表5-2-2-35 IPv4アドレス在庫の消費
(出典)総務省「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会第三次報告書」を元に総務省作成
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/ipv6_internet/01kiban04_02000029.html別ウィンドウで開きます
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(イ)IPv6への対応状況

●大手ISPを中心にIPv6対応が本格化

APNIC/JPNICにおけるIPv4アドレス在庫が枯渇した2011年4月からアクセス回線事業者のIPv6対応が本格化しており、主要な事業者においては既にIPv6インターネット接続サービスが提供されている。IPv6普及・高度化推進協議会の調査によると、NTT東西の提供するFTTH回線であるフレッツ光ネクストにおけるIPv6普及率が、2020年3月時点で72.2%に達している(図表5-2-2-36)。

図表5-2-2-36 フレッツ光ネクストにおけるIPv6普及率
(出典)IPv6普及・高度化推進協議会「アクセス網におけるIPv6の普及状況調査」を元に総務省作成
https://v6pc.jp/jp/spread/ipv6spread_03.phtml別ウィンドウで開きます
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また、ISPについては、アクセス回線事業者のIPv6対応に合わせて、大手ISPを中心にIPv6インターネット接続サービスの提供が進展している。2020年1月に総務省が実施したアンケート調査に対し、加入者10万契約以上のISPでは83.3%がIPv6インターネットサービスを「提供中」と回答している。一方で加入者1万契約以上10万契約未満のISPでは30.0%、加入者1万契約未満のISPでは27.4%が「検討の上、提供しないと決定」か「未検討」と回答しており、大規模ISPと比較してIPv6対応が遅れている(図表5-2-2-37)。

図表5-2-2-37 IPv6サービスの対応状況(ISP規模別)(2020年1月)
(出典)総務省アンケート調査により作成
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9 図表5-2-2-18から図表5-2-2-20までの各図表における数値について、集計誤りがあったため一部修正した値を掲載している(修正箇所は出展中のURL参照)。

10 「固定系」は加入電話、公衆電話、ISDNの総計。

11 「移動系」は携帯電話及びPHSの総計。

12 協力ISP9社((株)インターネットイニシアティブ(IIJ)、NTTコミュニケーションズ(株)、(株)NTTぷらら、(株)オプテージ、KDDI(株)、(株)ジュピターテレコム、ソフトバンク(株)、ニフティ(株)及びビッグローブ(株))の集計。

13 インターネットマルチフィード(株)、エクイニクス・ジャパン(株)、日本インターネットエクスチェンジ(株)、BBIX(株)及びWIDE Projectがそれぞれ運営するIXの集計。

14 IANA(Internet Assigned Numbers Authority)とは、インターネット上で利用されるアドレス資源をグローバルに管理する管理元。

15 RIPE NCC(Réseaux IP Européens Network Coordination Centre)とは、ヨーロッパ、中近東、アジアの一部を管轄する地域インターネットレジストリ。

16 LACNIC(Latin American and Caribbean Internet Address Registry)とは、中南米地域を管轄する地域インターネットレジストリ。

17 ARIN(American Registry for Internet Numbers)とは、北米地域を管轄する地域インターネットレジストリ。

18 AFRINIC(African Network Information Centre)とは、アフリカ地域を管轄する地域インターネットレジストリ。

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