総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > あらゆる制約から解放され、誰もが活躍できる“Inclusive”な社会
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築 5.0
第1節 2030年代の我が国のデジタル経済・社会の将来像

(1)あらゆる制約から解放され、誰もが活躍できる“Inclusive”な社会

都市部と地方、国境等の地理的な障壁に加え、年齢、障害の有無といった様々な差異も取り除かれることで、誰もが活躍できる社会が到来する。

ア 距離や身体の制約からの解放

○場所・状態を問わず、働くことができる

どこにいても、オフィスにいるのと同じ環境で仕事に集中できる。また、離れた場所にいる上司・同僚・部下や取引先とのコミュニケーションもリアルな体感で行うことができる。これにより、居住地を問わずに業務を継続することが可能となるほか、出張や旅行といった移動時でも業務を支障なく遂行することが可能となる。さらに、遠隔地で実施される会議や研修への参加機会も損なわれることなく確保できる。

デスクワークだけでなく、工場勤務やサービス業に関しても、ロボティクスやアバターなどの技術を用いることにより、自宅に居ながらにしての業務が可能となる。

○バーチャル空間で臨場感のある娯楽を楽しめる

離れた場所で開催されているスポーツイベントやコンサートなどを、まるでその場にいるかのような臨場感でリアルタイムに体験することができる。また、低遅延通信の実現により、遠隔地をつないだeスポーツの対戦も可能となる。さらにeスポーツは、端末や回線の進化により、様々な身体能力や認知能力の制約から解放され、年齢や障害の有無を超えて同じ種目で競うことができる。

また、AR/VRやアバターの技術を活用することで、実際に行くのは困難な秘境や極地、宇宙空間を仮想的に旅行することも可能となる。

イ 能力の拡張

○言語の壁を超えたコミュニケーション

AIを活用した同時翻訳技術の進展により、言葉の壁を超えたリアルタイムのコミュニケーションが可能となる。これによって、外国語のスキルがなくとも、世界中の人とビジネスやプライベートでの交流を自由に行えるようになる。

○身体能力や認知能力を拡張

生体電位信号を感知して歩行を支援するパワードスーツ等の高機能化により、身体能力や認知能力の拡張につながり、活躍の場が広がるようになる。

また、介護や重い物を持つ重労働がアシストスーツによって負担軽減される。

ウ 個の能力の最大化

○個の能力や嗜好に合わせた教育カリキュラムを提供

世界中の多様な教育カリキュラムがオンラインで受講可能となる。それまでの受講履歴や試験結果等のデータに基づき、AIが個の能力や嗜好に合わせた最適な教育カリキュラムを提案することで、目的にかなった能力の伸長や弱点の克服を効率的に行えるようになる。

○蓄積された履歴を考慮した評価

教育カリキュラムの受講履歴や仕事における実績等に関するデータが個人単位で蓄積されることで、個人の行動履歴も考慮された評価となっていくこととなる。

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