総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > IoTを支える通信技術としての5G
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第1節 新たな価値を創出する移動通信システム

(4)IoTを支える通信技術としての5G

5Gは先に述べたように、IoT時代における多種多様なネットワークを包含する総合的なICT基盤として、様々な産業・分野における実装が期待されている。他方、IoTデバイスや関連のアプリケーションの数は爆発的に増加(第1章第4節参照)しているが、それらの用途は多岐にわたっており、通信特性も様々である。特に無線を用いるIoTデバイスは、消費電力や電波の特性等の制約条件が多いことから、単一の通信技術や規格でこれらのニーズ全てに応えることは困難である。こうした多様なニーズに対応すべく、近年、様々な通信技術や規格が考案・開発されており、5Gもその1つである。

図表1-1-3-8に、既存の技術・規格を含めて、それぞれの特徴に着目して整理を行った。カバレッジや消費電力の大小、通信速度やコストの高低に応じて、様々な通信技術・規格が存在している。5Gは超高速大容量、超低遅延、多数同時接続といった特長を有している一方、カバレッジに関しては4Gに劣り、また、消費電力やコストに関しては、LPWA(SIGFOX、LoRa、NB-IoTなど)やPAN(Bluetooth、NFC、Zigbeeなど)に劣っており、5Gが他の通信技術全てを代替するような万能な存在ではないことが分かる。

図表1-1-3-8 各通信方式の位置付け
(出典)平成29年版情報通信白書(一部改変)

今後、各産業・分野のデジタル化を進めるに当たっては、その目的や用途に応じて、他の技術と上手く組み合わせて使うことが重要となる。

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