総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > データの活用に係る課題や障壁
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第3節 パーソナルデータ活用の今後

(2)データの活用に係る課題や障壁

さらに、アンケートにおいて、パーソナルデータの取扱いや利活用に関し、現在又は今後想定される課題や障壁について、当てはまるものを尋ねた(図表3-3-3-2)。日本においては、「個人データの管理に伴うインシデントリスクや社会的責任の大きさ」、「データを取り扱う(処理・分析等)人材の不足」、「収集・管理に係るコストの増大」といった項目を選択する回答者が多かった。米国やドイツにおいても、同様に「人材の不足」、「収集・管理に係るコストの増大」、「インシデントリスクや社会的責任の大きさ」といった選択肢を選ぶ回答者が多かった。

図表3-3-3-2 パーソナルデータの取扱いや利活用に関して現在又は今後想定される課題や障壁(複数選択)
(出典)総務省(2020)「データの流通環境等に関する消費者の意識に関する調査研究」
「図表3-3-3-2 パーソナルデータの取扱いや利活用に関して現在又は今後想定される課題や障壁(複数選択)」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

一方、2017年に実施した前回の調査と比較すると、日本やドイツにおいては前回調査においても、インシデントリスクや社会的責任の大きさを懸念する回答者の割合が最も高く、この点の懸念が引き続き解消されていないことが分かる。また、米国においては、前回調査において人材不足と回答した割合は1割弱上昇した。米国企業が近年データ活用に係る人材確保に苦戦していることが伺える。

回答者に課題等として挙げられたインシデントリスクに関しては、近年パーソナルデータの流通が活発になるにつれ、個人のプライバシーに関連するトラブルが少なからず発生していることに起因するものと思われる(図表3-3-3-3)。例えば我が国においては、2019年にリクルートキャリア社による内定辞退率の提供について、個人情報保護委員会から関連する企業に対して行政指導等が行われるなど、社会的に大きな議論となった。このような事例が発生していることも受けて、企業の中にはパーソナルデータの活用に慎重になっているところも出てきていると考えられる。

図表3-3-3-3 インターネット上における個人のプライバシーに関連するトラブル事例
(出典)総務省(2020)「データの流通環境等に関する消費者の意識に関する調査研究」
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