総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > 5Gが変えるICT産業の構造
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第4節 5Gが変えるICT産業の構造

第4節 5Gが変えるICT産業の構造

第1節で移動通信システムの進化の過程を振り返ってきたが、移動通信システムが世代交代を重ね、通信基盤から生活基盤へと進化していく過程において、ICT産業の構造も大きく変わっていった。我が国では、2Gの時代には既に携帯電話事業者とベンダー(端末製造事業者)が結びついていたが、3Gの時代には携帯電話事業者主導の下、ポータルサービスや課金・認証等機能、コンテンツ・アプリケーションが結びついた垂直統合型のエコシステムが形成された。その後、スマートフォンの登場により、我が国の垂直統合型モデルのオープン化が進み、固定通信と同様の水平分離型モデルが移動通信においても展開された。その結果、ICT産業におけるGoogleやAppleなどのデジタル・プラットフォーマーが大きな影響力を発揮するようになった。

これまでも述べたように、5Gは産業・社会基盤として様々な産業・分野における実装が期待されている。つまり、5Gの商用開始は、移動通信システムが単に切り替わるだけでなく、各産業・分野への実装を通して情報通信産業の構造を変えていく可能性がある。本節では、5Gによって、今後、ICT産業の構造がどのように変わっていくのか展望していくこととする。

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る