総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > パーソナルデータの提供についての不安
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第3節 パーソナルデータ活用の今後

(4)パーソナルデータの提供についての不安

関連して、企業等が提供するサービスやアプリケーションを利用するに当たりパーソナルデータを提供することについてどのように思うか聞いたところ、各国とも、不安を感じている(「とても不安を感じる」又は「やや不安を感じる」)割合は6割を超えた(図表3-3-2-4)。国別に見ると日本が78%と最も高く、次いで中国で74%だった。2017年の調査結果と比較すると、我が国においては、不安に感じる割合がおよそ5ポイント低下しており、パーソナルデータの提供への抵抗感がやや薄まりつつあることがうかがえる。一方で、中国においてはほぼ横ばいで、米国は6ポイント、ドイツは4ポイント増加しており、各国間での差は縮まりつつある。米国やドイツにおいて不安に感じる消費者が増加している背景には、影響力を増しているデジタル・プラットフォーマーに対する懸念があるものと考えられる。

図表3-3-2-4 サービス・アプリケーションの利用に当たってパーソナルデータを提供することについての不安
(出典)総務省(2020)「データの流通環境等に関する消費者の意識に関する調査研究」
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我が国は他の対象国と比べるとパーソナルデータの提供に不安感を有している割合が多い傾向にあるが、パーソナルデータを提供していることをあまり認識していない、いわばデータに関するリテラシーが比較的高くない回答者の間でも不安に感じる割合が多いことが特徴的である。デジタル・プラットフォーマーへのパーソナルデータの提供について認識をしている回答者、認識をしていない回答者、そのようなサービスやアプリケーションを利用していない回答者に3区分した上で、区分ごとにパーソナルデータを提供することについての不安を集計したところ、パーソナルデータを提供していることを認識している消費者のうち、その提供に不安を感じている消費者の割合はどの国においても8割程度となった(図表3-3-2-5)。パーソナルデータが取得されていることを認識している消費者がその活用に不安感を覚える傾向は各国において共通しているといえる。しかし、その提供を認識していない消費者に着目すると、提供に不安を感じている割合は日本では8割程度の一方、米国及びドイツでは5割未満、中国においても6割程度となっている。このことから、我が国の消費者は、パーソナルデータの提供について認識していない消費者も、その提供に当たっては慎重に考えていることがうかがえる。

図表3-3-2-5 パーソナルデータを提供していることについての認識度別のパーソナルデータ提供への不安感
(出典)総務省(2020)「データの流通環境等に関する消費者の意識に関する調査研究」
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また、パーソナルデータの提供について、特にどのデータの提供に不安を感じているか調べるため、データの種別ごとに尋ねたところ、各国ともに「口座情報・クレジットカード番号」、マイナンバーなどの「公的な個人識別番号」、「生体情報」といったデータについては不安に感じる割合が多かった。一方で、「年代」や「趣味」、「身長・体重」といったデータについては不安でないと回答した割合が多かった(図表3-3-2-6)。

図表3-3-2-6 提供に当たって不安に感じるパーソナルデータ
(出典)総務省(2020)「データの流通環境等に関する消費者の意識に関する調査研究」
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