総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > ICTリテラシーの向上
第2部 基本データと政策動向
第6節 ICT利活用の推進

(5)ICTリテラシーの向上

ア e−ネットキャラバンの推進

スマートフォンは、webサイトや動画、SNSなどが利用可能である反面、SNSを利用して犯罪の被害にあう児童・生徒の数も高止まりするなど、スマートフォンの普及に伴うトラブルも増加している。こうした状況の下、多くのネット危機にさらされている児童生徒を守るため、児童生徒はもとより、指導する立場にある保護者・教職員等に対しても、インターネットを安心・安全に利用するための普及啓発が重要となってきている。

このため、総務省では、文部科学省及び情報通信分野等の企業・団体等と協力しながら、子どもたちのインターネットの安全な利用に係る普及啓発を目的とした出前講座である「e−ネットキャラバン14」を、児童・生徒、保護者・教職員等を対象として全国で実施しており、2019年度(令和元年度)は、全国2,660箇所で開催した。また、2016年(平成28年)から、フィルタリングの必要性等の説明を含む「e-ネットキャラバンPlus」を新設し、保護者・教職員のフィルタリングについての理解の向上を図ることとしたほか、インターネット利用者の低年齢化に対応して、講座の対象学年を小学校5年生から、小学校3年生の生徒及びその保護者へと引き下げた。さらに、2019年度(令和元年度)には、海賊版サイトを巡る昨今の社会状況に鑑み、海賊版サイトの危険性や問題点を啓発するための補助教材等を追加したほか、デマやフェイクニュースがSNS等で拡散されている状況に鑑み、「不確かな情報の拡散」に関する解説を追加した。

イ メディアリテラシーの向上

メディアリテラシーとは、放送番組やインターネット等各種メディアを主体的に読み解く能力や、メディアの特性を理解する能力、新たに普及するICT機器にアクセスし活用する能力、メディアを通じコミュニケーションを創造する能力等のことである。

総務省では、放送番組の情報を正しく理解するとともに、トラブルなくインターネットや携帯電話等を利用するなど、メディアの健全な利用の促進を図るため、各メディアの特性に応じた教材等を開発し、普及を図っている。

インターネットや携帯電話等の分野においては、ICTメディアリテラシーを総合的に育成するプログラムである「伸ばそうICTメディアリテラシー〜つながる!わかる!伝える!これがネットだ〜」を公開している15

放送分野においては、これまでに開発した小・中学生及び高校生向け学習用教材の貸出しを中心とした普及・啓発を行っているほか、「放送分野におけるメディアリテラシーサイト16」を開設し、ウェブ教材や教育者向けの授業実践パッケージ(指導案、授業レポート、ワークシート等)を開発・掲載するなど、青少年のメディアリテラシーの向上に取り組んでいる。

ウ 青少年のインターネット・リテラシー向上

総務省では教職員や専門家からのヒアリングを通じて、インターネットに係る実際に起きた最新のトラブル事例を踏まえ、その予防法等をまとめた「インターネットトラブル事例集17」を公開している。

また、青少年のインターネット・リテラシー向上施策の重要性に鑑み、同施策を効果的に進めていくために、2011年度(平成23年度)に青少年のインターネット・リテラシーを可視化するテストとして「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標(ILAS:Internet Literacy Assessment indicator for Students)を開発し、2012年度(平成24年度)より毎年度、全国の高等学校1年生相当を対象にスマートフォン等情報通信機器の使用実態に関するアンケートと併せて青少年のインターネット・リテラシーを測るテストを実施している(図表6-6-3-3)。

図表6-6-3-3 2019年度ILASの結果(経年比較)

また、青少年へのスマートフォンの著しい普及に鑑み、従来の携帯電話とは異なるセキュリティ実態等を踏まえ、青少年自身のリテラシー向上に加え、保護者や教職員等のリテラシーの向上の重要性がより一層高まっている。このため、各総合通信局及び沖縄総合通信事務所が中心となり、地域における青少年及び保護者・教職員等に対して、各地域で活動する関係者(自治体、PTA、消費者団体、学校関係者、有識者、事業者、NPO等)が幅広く連携し、リテラシー向上のための普及啓発活動を実施する体制の整備を進めるべく、地域の関係者が一体となった推進体制の構築や連絡会の開催など総合的な周知啓発活動を展開している。

さらに、多くの青少年が初めてスマートフォン・タブレット等を手にする春の進学・進級の時期に重点を置き、青少年やその保護者に対し、スマートフォン利用に際してのリスクや必要な対応についての情報が伝わるよう、関係府省庁や安心ネットづくり促進協議会等の関係団体、関係事業者が連携して、スマートフォンやソーシャルメディア等の安心・安全な利用について、集中的な啓発活動を展開する「春のあんしんネット・新学期一斉行動」を、2019年度(令和元年度)も例年同様実施した。



14 e−ネットキャラバン: https://www.fmmc.or.jp/e-netcaravan/別ウィンドウで開きます

15 伸ばそうICTメディアリテラシー: https://www.soumu.go.jp/ict-media/別ウィンドウで開きます

16 放送分野におけるメディアリテラシーサイト: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/hoso/kyouzai.html別ウィンドウで開きます

17 インターネットトラブル事例集ダウンロードページ: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jireishu.html別ウィンドウで開きます

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る