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第2部 基本データと政策動向
第4節 放送政策の展開

(2)ケーブルテレビ

地上テレビ放送の難視聴区域の解消を当初の目的として誕生したケーブルテレビは、自主放送(コミュニティチャンネル等)や多チャンネル放送など、放送サービスの高度化と合わせてサービスの充実を図ってきた。さらには、各家庭まで敷設したケーブルを活かして電気通信サービスであるインターネット接続サービスや固定電話サービスを展開し、放送サービスと合わせ、いわゆる「トリプルプレイ」サービスを提供している。さらに、近年はMVNOサービスや地域BWAサービスといった無線による移動通信サービスを展開するなど、ケーブルテレビは、時代の変化に対応しながら地域の総合的な情報通信メディアとして成長を遂げている。

総務省では、4K・8Kや動画配信サービスの普及などケーブルテレビを取り巻く環境が近年大きく変化している中、地域に寄り添うメディアであるケーブルテレビが、今後もその公共的役割を果たすことが出来るよう、ケーブルテレビの将来像を検討することを目的として、2016年(平成28年)11月より「放送を巡る諸課題に関する検討会 地域における情報流通の確保等に関する分科会」の下に「ケーブルテレビワーキンググループ」を開催し、2017年(平成29年)5月にワーキンググループでの検討結果を報告書(「ケーブルビジョン2020+」)として取りまとめた。

報告書では、公共的なメディアであるケーブルテレビが災害時の情報伝達手段としての役割や2018年(平成30年)12月開始の「新4K8K衛星放送」を普及させる役割を果たすためにも、ケーブルテレビネットワークの光化(FTTH化)を進め、その強靱化・高度化を図る必要があるとまとめている。総務省では、ケーブルテレビネットワークの耐災害性を高めるとともに、4K・8Kの送受信環境を確保することを目的として、ケーブルテレビネットワークの光化に対する補助(ケーブルテレビ事業者の光ケーブル化に関する緊急対策事業)を実施している(図表6-4-2-3)。また、引き続き有線・無線、放送・通信にまたがるサービスを提供していくため、ケーブルテレビ事業者が相互の連携を深めるとともに、IoTサービスやスマートシティ等の新たなサービスにも取り組んでいくべきであるとしており、今後の更なる取組の深化が期待される。

図表6-4-2-3 ケーブルテレビ事業者の光ケーブル化に関する緊急対策事業

また、大容量の4K・8Kコンテンツをケーブルテレビにおいて伝送するための制度的検討も行っている。総務省は、ケーブルテレビ事業者がインターネットプロトコル(IP)を活用して、多様な放送サービスを円滑に提供できるよう、IPマルチキャスト方式を用いた放送のあり方等について検討することを目的に、2017年(平成29年)11月から「4K・8K時代に向けたケーブルテレビの映像配信の在り方に関する研究会3」を開催し、2018年(平成30年)6月に最終報告書4が取りまとめられ、情報通信審議会情報通信技術分科会放送システム委員会において一部答申が示され、有線一般放送の品質に関する技術基準を定める省令(平成23年総務省令第95号)を2019年(平成31年)1月に改正した。



3 4K・8K時代に向けたケーブルテレビの映像配信の在り方に関する研究会: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/4k8k_cable_ip/index.html別ウィンドウで開きます

4 4K・8K時代に向けたケーブルテレビの映像配信の在り方に関する研究会 報告書及び意見募集結果の公表:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/4k8k_cable_ip/02ryutsu12_04000135.html別ウィンドウで開きます

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