総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > 約10年周期で進む世代交代
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第1節 新たな価値を創出する移動通信システム

(1)約10年周期で進む世代交代

我が国における移動通信システムは、1979年に第1世代となるサービスが開始されて以降、本年に開始された第5世代に至るまで、約10年周期で世代交代が行われていった。世代交代に伴い移動通信システムの性能が改善した結果、以下のような点において、利用者の利便性は飛躍的に向上した。

①通信品質の向上:アナログ方式からデジタル方式への進化によって、ノイズが減少するなど通話時における音質が向上された。また、ハンドオーバー機能の向上などにより、高速移動時や遮へい物が存在する場合でも通信が途切れにくくなるなど、通信品質の向上が図られた。

②通信の高速大容量化:第1世代では最大通信速度が約10kbpsであったのに対し、2010年に開始された第4世代では最大通信速度が1Gbpsになるなど、この30年間で約10万倍にまで向上している(図表1-1-2-1)。

図表1-1-2-1 移動通信ネットワークの高速化・大容量化の進展
(出典)総務省作成資料

③サービスの多機能化:移動通信端末の機能は当初は音声通話のみであったが、データ通信サービスの開始以降、様々な機能が付加され、移動通信端末を用いたサービスも多岐にわたるようになった。現在ではスマートフォン1台で日常生活に必要な機能の多くをこなすことができるようになった。

④通信料金の低廉化:様々な技術革新及び制度改革によって携帯電話の普及が進むに従い、携帯電話事業者間での利用者獲得競争が激しくなり、通信料金の低廉化が進んだ。その後、データ通信・音声通話の双方で定額制が実現した。

⑤利用範囲の拡大:国内において移動通信システムのエリア化が進み全国で利用可能となったほか、通信規格の国際標準化によって、日本で購入した端末をそのまま海外でも利用できるなど、移動通信サービスの利用範囲が大きく広がっていった。

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