総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > 5G用周波数の具体化と技術的条件の策定
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第2節 5Gの実現・普及に向けて

(3)5G用周波数の具体化と技術的条件の策定

国際機関や諸外国で5G用周波数の検討が進む中、我が国でも2016年10月に総務大臣の諮問機関である情報通信審議会に5Gの技術的条件が諮問され、5G用周波数の確保に向けた考え方、既存無線システムとの周波数の共用、その他5Gの技術的条件の策定等に関する検討が進められた。2017年9月の新世代モバイル通信システム委員会報告の中で示された周波数確保に係る考え方において、5G用周波数として、他の無線システムとの共用に留意しつつ、3.7GHz帯及び4.5GHz帯で最大500MHz幅、28GHz帯で最大2GHz幅を確保することを目指すとされた。その後、2018年7月の情報通信審議会答申「第5世代移動通信システム(5G)の技術的条件」2では、3.7GHz帯(3.6〜4.2GHz)、4.5GHz帯(4.4〜4.9GHz)及び28GHz帯(27.0〜29.5GHz)を5G用周波数として使用することとされたほか、諸々の技術的条件が策定された。

なお、4G以前と比べて高い周波数帯を5G用として使用することとされた理由は、低い周波数帯は既に他の無線システムにおいて利用されており共用が難しいことや、大容量通信を行うには広帯域の周波数を世界共通で確保する必要があったためである。他方、高い周波数帯の電波は、同じ出力で電波を発射した場合、低い周波数帯の電波に比べて、電波の届く距離が短くなるほか、電波の直進性が高く、障害物があっても回り込むことができないといった特性を有している。したがって、事業者が5Gでも4Gと同一のエリアをカバーしようとする場合、一つの基地局でカバーできるエリアは4G以前に比べて格段に狭くなるため、5G基地局をより多く設置する必要がある。加えて、我が国における5G用周波数は、衛星通信が使用する周波数と近接しており、運用に際しては混信防止対策を講じる必要があった。



2 「第5世代移動通信システム(5G)の技術的条件」 -情報通信審議会からの一部答申- (https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000343.html別ウィンドウで開きます

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