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第2部 基本データと政策動向
第1節 ICT産業の動向

第5章 ICT分野の基本データ

第1節 ICT産業の動向

1 ICT産業の経済規模

(1)国内生産額

●2018年の情報通信産業の名目国内生産額は99.1兆円で、我が国産業内では最大規模。ただし、情報通信関連製造業を中心に2000年よりも減少

2018年の情報通信産業1の名目国内生産額は99.1兆円であり、全産業の9.8%を占める。産業全体を「その他産業」を除く8つの主な産業に分けた場合、情報通信産業は「商業」(93.5兆円)を抜いて最大の規模となっている(図表5-1-1-1)。

図表5-1-1-1 主な産業の国内生産額(名目及び実質)(内訳)(2018年)
(出典)総務省「令和元年度 ICTの経済分析に関する調査」(2020)
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時系列でみると、2000年時点では116.6兆円であったが、その後はいわゆるITバブル崩壊を反映し、おおむね減少傾向で推移した。2005年より回復に転じ、2007年には113.8兆円に達したが、2008〜2009年のリーマンショックの影響で大きく減少し、2009年時点で98.9兆円にまで減少した。2010年以降も減少傾向は止まらず2012年時点で約89.9兆円にまで減少したが、2013年以降は回復傾向に入り、2018年の99.1兆円に至っている。しかしながら、2000年時点と2018年時点とを比較すると、約15.0%の減少(年平均成長率では-0.9%)となっている(図表5-1-1-2図表5-1-1-3)。

図表5-1-1-2 主な産業の国内生産額(名目及び実質)の推移2
(出典)総務省「令和元年度 ICTの経済分析に関する調査」(2020)
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図表5-1-1-3 情報通信産業の国内生産額(名目及び実質)の推移3
(出典)総務省「令和元年度 ICTの経済分析に関する調査」(2020)
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この2000年から2018年にかけての減少は、9部門からなる情報通信産業の中で最大の部門であった「情報通信関連製造業」において50.8%の減少(年平均成長率では-3.9%)となったことが大きく影響している。また、「情報通信関連建設業」においても、90.0%の減少(年平均成長率では-12.0%)となっている。その一方で、「情報サービス業」においては、35.0%の増加(年平均成長率では1.7%)となっている。また、規模はまだ大きいとはいえないものの、「インターネット附随サービス業」が大幅に成長している4。「インターネット附随サービス業」には、概念上インターネット検索サービスや動画投稿サイト、SNSやオンラインゲームといったインターネット関連サービス部門が含まれており、これらの関連産業が急速に成長していることがみてとれる。

2011年価格による実質国内生産額でみた場合、2018年では情報通信産業は101.4兆円で全産業の10.3%を占めている。その推移をみると、名目値の場合とは異なり2000年以降も上昇し、2007年には102.7兆円に達している。2012年には91.3兆円まで減少したが、2013年以降は再び回復傾向となっている。2018年と2000年を比較すると、16.5%の増加(年平均成長率では0.9%)となっている(図表5-1-1-3)。

このように名目値と実質値で動向が異なるのは、実質値においては、価格の低下を反映するとともに、性能の向上も価格の低下として評価するといった事情があるためである。すなわち、ある製品の生産額が名目値では前年と同じであったとしても、その製品の性能が向上している場合には、実質値ではこの性能向上分が生産額の増加として表れる。技術革新の激しい情報通信分野については、この点に特に注意が必要である5



1 情報通信産業の範囲については、巻末付注4を参照。

2 数値の詳細については巻末データ1及びデータ2を参照

3 数値の詳細については巻末データ6及びデータ7を参照。

4 2005年〜2018年の年平均成長率は、10.1%となっている。

5 このため、情報通信産業の多くの部門において、名目値をデフレータ(今回は2011年基準価格指数を用いる)で除することにより算出される実質値は、名目値を上回ることになる。「通信業」では特に「移動電気通信」、「情報通信関連製造業」では特に「携帯電話機」や「ラジオ・テレビ受信機」などが顕著である。国内生産額の名目値と実質値の大小比較については巻末付注6を参照。

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