総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和2年版 > サイバーセキュリティの確保に向けた各国間での連携
第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
第4節 5G時代のサイバーセキュリティ

(2)サイバーセキュリティの確保に向けた各国間での連携

さらに、国際的なデータ流通が活発となっている現代においては、海外からの脅威も深刻なものとなっている。例えば、2018年12月には、米国及び英国は、中国を拠点とするAPT10と呼ばれるサイバー攻撃グループに対する非難を表明し、日本の外務省及びNISCも同様の声明を発表している。また、2020年1月には三菱電機がサイバー攻撃を受け、個人情報や機密情報などが流出したことが公表されたが、報道によると、この攻撃も海外を拠点とするサイバー攻撃集団によるものとされている。さらに、同月にはNECが同社の防衛事業部門で使用している社内サーバの一部が第三者による不正アクセスを受けたことを公表したが、これについても海外の組織的な攻撃によるものであると報道されている。

このような海外からのサイバー攻撃の深刻化が懸念される状況においては、海外の関係機関との連携を通じた情報交換・共有等がサイバーセキュリティの確保において重要となってきている。そのため、政府を中心として海外の関連機関との協力の強化が図られている。

例えば、各国政府との協力関係の強化に関しては、首脳・閣僚のハイレベル協議や国際会議への参加、法執行機関間の連携強化により、サイバー空間における法の支配の推進、自由、公正かつ安全なサイバー空間の堅持に日本政府として積極的に寄与しているところである。また、二国間協議を通じた我が国のサイバーセキュリティ関係施策や考え方等の積極的な発信や連携の具体化等についても推進しているところであり、特に、ASEAN各国との間では、NISC及び関係省庁が連携して、人材育成への協力や、「日・ASEAN情報セキュリティ政策会議」等の定期的な開催を通じた情報交換等を実施するなどしている。

さらに、脅威情報を共有するための組織であるISACを核とした国際的な連携も進められている。例えば、前述のICT-ISACは、国際連携ワークショップの開催などを通じて、米国のICT分野のISACとの連携を進めるための取組に着手しているところであるが、今後、より効率的な情報共有が行われていくことが期待される。

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